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思いやり

「思いやりのある子に育って欲しい」

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親になったら、誰もが願うことでしょう。

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「思いやり」ってどうしたら育つの?

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答えは一つではありません。

日々の暮らしの中に、その答えはありそうな気がします。

目に見えないからこそ、見つけるのが難しい。

そんな風に思います。

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まず、親としての自己中心に陥ることなく、相手と接する。

実際はなかなか難しいことです。

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今年の運動会で、素敵な場面に出会いました。

気付かれた方も多かったと思いますが、年中組「大玉ころがし」での一場面でした。

自分の目線より大きな玉を転がすのはなかなか難しく、うまくコントロールが出来ないのも、この競技の面白さの一つです。

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アンカーは、走るのが早いTくんと小柄なMちゃん。練習の時と同じペアでした。

いつもはTくんがボールを転がし、その後を追いかけていくMちゃん。そんな姿をよく見かけました。

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運動会当日、TくんはMちゃんの走るペースに合わせ、丁寧にボールを転がしていました。

Mちゃんもにこにこ笑顔で、ボールを転がすことを楽しんで…。そして二人一緒にゴールしました。

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会場からも温かい拍手がいっぱい聞こえてきました。

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運動会後、Tくんのお母さんにこのような話を伺いました。

お母さんはTくんに事前にこのように話をされていたそうです。

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「TはMちゃんの速さに合わせてゆっくり走ることが出来るけど、

MちゃんはTの速さに合わせて速く走ることは出来ないんだよ。

一人で速く走って勝つことと二人で一緒にゴール出来ることとどちらがいいと思う?」

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大勢の観客の前で、お母さんとの約束を守ったTくん。

Mちゃんにとっても良い経験となったことと思います。

私にとっても心に残る一場面でした。

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ちょっと視点を変えるだけで、子ども達に伝えられる「思いやり」っていっぱいあるかもしれませんね。

練習以上の力、それはこんな形で見ることができました。